不動産売却の注意点について!契約時・離婚時・相続時のケース別で解説
不動産の売却時には、売却方法や理由によって注意点が異なります。
この記事では、契約時、離婚時、相続時のそれぞれのケースに分けて、注意すべきポイントを解説していきます。
不動産の売却を検討されている方は、ぜひご参考になさってください。
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不動産売却の注意点:買取と仲介の契約の違い
不動産を売却する方法には「仲介」と「買取」の2つがあります。
それぞれの契約面における違いと注意点について説明します。
不動産仲介による売却
「不動産仲介」による売却は、不動産会社に依頼して進めるのが一般的です。
不動産会社は、インターネットやチラシなどで売却物件を広く宣伝し、買主を探します。
買主が見つかると、不動産会社の立ち会いのもとで売買契約を締結し、物件の引き渡しがおこなわれます。
この方法には、仲介手数料が発生する点が特徴で、通常、売却代金の3%から5%ほどの費用がかかります。
また、売却までに時間がかかることもあり、平均して3か月から6か月ほどの期間が必要です。
さらに、広告を出すだけでなく、内見希望者の対応など、販売活動が必要になることも頭に入れておかなければなりません。
このように、不動産仲介は、売却を急いでいない方や、希望する価格で売却したいと考えている方に適した方法です。
不動産買取による売却
「不動産買取」による売却は、この場合は不動産会社が直接買主となります。
条件が合えば、短期間で売却が可能であり、仲介手数料もかかりません。
不動産買取には「即時買取」と「買取保証」の2つの方法があります。
「即時買取」では、条件が整えばすぐに契約が成立し、通常、契約成立から売却までに5日から1週間かかります。
「買取保証」は、まず不動産会社に仲介を依頼し、一定期間販売活動をおこないますが、期間内に売却できなかった場合には、不動産会社が物件を買い取るという契約です。
ただし、不動産買取には注意が必要な点もあります。
まず、売却価格は相場よりも10%から30%ほど低くなることが多いです。
また、不用品の処分を依頼する場合、別途料金が発生することもありますし、買取ができない物件も存在します。
したがって、不動産買取は、近隣に売却を知られたくない方や、早急に現金化したい方に適した方法といえます。
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不動産売却の注意点:離婚が原因で売却するケース
離婚に伴い、不動産売却を検討する方もいるでしょう。
離婚が原因の不動産売却では、次の3つの手順と注意点を確認することが大切です。
1. 不動産名義の確認
離婚が原因で不動産を売却する際には、まず不動産の名義を確認することが重要です。
基本的に、不動産の売却手続きは名義人がおこなう必要があります。
もし夫婦のどちらか一方が単独で名義人となっている場合、その方が独自に売却の判断を下すことができます。
しかし、夫婦で共有名義の場合、売却には両者の合意が必要です。
売却予定の不動産を購入した際に受け取った不動産売買契約書で、誰が名義人であるかを確認しましょう。
もし名義人でなくてもその不動産に住み続けたい場合は、名義人と話し合い、売却に関して合意を得ることが大切です。
仮に共有名義の不動産で配偶者が売却に同意しない場合、共有持分のみを売却する方法もあります。
この場合、購入希望者が見つかりにくかったり、値下げ交渉が入る可能性が高いことがあるため、注意が必要です。
2. 不動産の価値と住宅ローンの確認
次に、所有している不動産の価値と住宅ローンの残高を確認することが重要です。
不動産を売却して住宅ローンの返済や新しい生活資金に充てる予定であれば、どのくらいの価格で売却できる可能性があるかを把握する必要があります。
不動産会社に査定を依頼することで、立地や物件の構造などさまざまな条件をもとに、理想的な売出価格が提示されます。
ただし、不動産会社によっては媒介契約を結んでもらおうと、相場よりも高額な査定額を提示することがあるため、注意が必要です。
相場より高すぎる価格で売り出すと売れ残るリスクがあり、逆に低すぎると十分な利益を得られない可能性があります。
そのため、自分でも類似物件の売出価格をリサーチし、不動産会社の査定額が適正かどうかを判断してから媒介契約を結ぶと良いでしょう。
住宅ローンの残高は、返済予定表や借り入れ先の金融機関で確認できます。
もし住宅ローンの残高が不動産の価値を下回る場合は、売却後に利益が生じるため、財産分与の対象となります。
しかし、住宅ローンの残高が不動産の価値を上回る場合は、売却してもローンが残るため、財産分与の対象にはなりません。
3. 分配方法の協議
所有している不動産が財産分与の対象となる場合、離婚前にその分配方法を話し合うことが必要です。
もし住宅ローンが残っている不動産に、離婚後もどちらか一方が住み続ける場合は、リスクを考慮する必要があります。
たとえば、住宅ローンの契約者が夫であり、離婚後に妻がその不動産に住み続ける場合、元夫がローンを滞納した際には、その不動産に住み続けられなくなる可能性があります。
また、ローン契約者が夫で妻が連帯保証人である場合、元夫がローンを滞納すると、連帯保証人である元妻に支払い請求が来ることになります。
これらのリスクを避けるため、住宅ローンが残っている不動産は、売却して分配する方が安心といえるでしょう。
なお、財産分与の請求権は、離婚が成立してから2年間が期限ですので、この点にも注意が必要です。
共有財産の分配方法が決まったら、離婚協議書を公正証書にしておくと、相手が支払いを怠った場合でも強制執行できる可能性があるため、安心です。
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不動産売却の注意点:相続後に売却するケース
相続に伴い不動産売却を検討する方もいるでしょう。
相続後の不動産売却では、次の3つの手順と注意点を確認することが大切です。
1. 遺産分割協議の実施
相続人が複数いる場合や遺言書がない場合、まずは遺産分割協議をおこない、各相続人がどの遺産を受け取るかを決定します。
不動産の遺産分割には「代償分割」「換価分割」「現物分割」の3つの方法があります。
●代償分割:特定の相続人が不動産を受け継ぎ、その代わりに他の相続人に対価を支払う方法
●換価分割:不動産を売却して得た金額を相続人で分ける方法
●現物分割:不動産を物理的に分割する方法
遺産分割方法が決まったら、遺産分割協議書を作成します。
不動産を売却する際には、共有者全員の合意が必要であり、意見の違いが生じやすいため、入念な話し合いが重要です。
2. 相続登記の手続き
次に、不動産の名義を故人から相続人に変更する「相続登記」をおこないます。
この手続きを完了しないと不動産を売却できません。
相続登記には、故人や相続人の戸籍謄本などが必要です。
複数人で相続する場合は共有名義で登記しますが、換価分割をおこなう場合、代表者名義にすることで手続きがスムーズに進むことが多いです。
3. 不動産の売却と税金の支払い
不動産を売却する際には、相続人全員で売却価格に合意することが大切です。
また、相続税の納税期限は相続開始から10か月以内であり、売却には3か月から半年かかることが一般的なので、早めの手続きを心がけましょう。
売却後に利益が出た場合は譲渡所得税が発生するため、費用を正確に計算し、節税対策として領収書を保管し、必要に応じて税理士に相談することをおすすめします。
また、「相続空き家の3,000万円の特別控除」などの特例を活用することも検討してください。
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まとめ
不動産売却には仲介と買取の方法があり、早く売りたい場合は買取、希望価格で売りたい場合は仲介が適しています。
離婚による売却では、不動産の名義や住宅ローン残高を確認してから協議を進めましょう。
相続による売却では、遺産分割や売却価格を相続人全員でしっかり話し合うことが大切です。
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